- リスクアセスメントを実施するように言われたけど、どのように実施したら良いかわかりません。
- そもそも、リスクアセスメントってなに?
- 評価のフォーマットってどんな形がよいの?
様々な現場からリスクアセスメントの意見や苦労を聞くことが多くあります。
今回は、Part1としてリスクアセスメントの基礎的な手法を解説していきます。
リスクとは?リスクアセスメントとは?
- リスク:危害の発生確率と被害の程度の組み合わせ(ISO/IEC Guide51)
- リスクアセスメント:危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置(安衛法28条)
定義はこのようになってきます。
また、リスクアセスメントの目的は、危険の可能性を事前に評価し、災害未然防止につなげることとなっています。
つまり、リスクアセスメント活動とは、リスクを評価し、許容可能なレベル(ALARPの原則)までリスクを低減する活動になります。
リスクアセスメントの実施手順
リスクアセスメントの手順としては、下記の通りになっています。
リスクアセスメントの手順としては、
- 使用条件および誤使用の明確化
- リスクの抽出
- リスクの見積もり評価
- 許容リスクまで到達していないリスクについて低減対策をおこなう
この手順を繰り返し実施していくことになります。
そして、なにより各作業のリスク評価をリスト化することが重要になります。
リスクアセスメントの評価方法
リスクアセスメントの評価表の例を下記に示します。
リスクの定義である(危害の発生確率)と(被害の程度)を組み合わせたものです。
今回の例ではマトリクス形式を提示しています。
なお、改善が必要な許容レベルについては、各社、各事業所にて設定する必要があります。
リスク評価の種類(足し算、かけ算、マトリクス)
リスク評価手法については、加算法(足し算)、積算法(かけ算)、マトリクス法があります。
加算法とは、(危害の程度)+(事象の発生確率)+(暴露頻度)=(リスク評価)のように各項目を足したうえで、リスク評価を行う手法です。
加算法の特徴は、項目が増やしやすく、点数で細かく出ることにより、合理的な優先順位が立てやすいメリットがあります。
一方、リスクの数字が下がりにくく、低減効果がうまく表現できないなどのデメリットがあります。
積算法とは、(危害の程度)×(事象の発生確率)=(リスク評価)のように各項目をかけてリスク評価を行う手法です。
積算法の特徴は、リスク低減効果が加算法に比べて反映しやすいメリットがあります。
一方、どちらかの項目が0になれば、リスク評価も0になるデメリットがあり、点数評価の妥当性は、現場への指導が必要です。
マトリクス法とは、(危害の程度)と(事象の発生確率)の組み合わせによりリスク評価を行う手法です。
マトリクス法の特徴は、リスク対策後の差が分かりやすく、最も簡単な手法になります。
一方、上記の例でいうと、リスクレベルⅢの作業がいくつかあった場合、優先順位が分かりにくいというデメリットがあります。
現場に早く導入したい!などの要望があれば、優先順位は管理者が判断することでスムーズに運営することができます。
現場が実施しやすい、管理者が管理しやすい、予算判断できる手法を適用することをオススメします。
リスク低減の優先順位
許容レベルに達していないリスクについては、リスク低減を検討する必要があります。
リスク低減を行う場合は、検討項目に優先順位があります。
上記優先順位は、法令が順守されていることが大前提になります。
上記のように、(作業やリスクをなくすこと)→(人に頼らず、機械的に防護する)→(作業方法を明確にする)→(保護具で防護する)
現場では、作業をなくすことが検討されないままに保護具で防ぐといったリスク低減対策が出てくるケースがあります。
上記項目について検討することにより、抜け漏れが発生しにくいリスク低減対策になります。
さいごに
いかがだったでしょうか?
今回は、リスクアセスメントの手法を解説しました。
上記手法によりリスクアセスメントを行い、リスク評価を一覧にし、各社・事業所での高リスク情報を全員に共有することも必要です。
管理者は、常にリスクを管理し、無災害職場の形成に努めていきましょう。
コメント