- 災害が起こった後の、対策検討の手法が分かりません。
- 対策検討のやり方で良いものを一つ教えてください。
- 現状の災害対策検討がおかしいように感じていますのですが。
このような意見を聞くことがあります。
今回は、災害対策を行ううえでの、分析手法を7つ紹介したいと思います。
自職場や、会社として、自己分析手法は決まっていますか?
決まっていたとしてもそれは何年も前から決まっているものではありませんか?
実は、災害によっては、一つの分析手法だけではなくて、いくつかの手法を組み合わせることにより、本質的な対策を立案できます。
ぜひ、一つの手法に固執することなく、今回紹介する手法を参考に災害対策を検討してみてください。
事故分析ツール7選(一覧)
事故分析を行う際に共通して言えることは、災害事象に対して、「どれだけ範囲を広げて考えることができるか」そして「どれだけ深掘りできるか」が重要になってきます。
この「広さ」と「深さ」を意識する必要があります。
今回紹介をする事故分析ツール7つ一覧を下記します。
- SHEL分析
- 4M分析
- 連関図(なぜなぜ分析)
- バリエーションツリー分析(VTA)
- フォルトツリー分析(FTA)
- イベントツリー分析(ETA)
- FRAM分析
SHEL分析
SHELモデルは、KLMオランダ航空によって開発されたものです。
SHELモデルはそれぞれ、ソフトウェア(Software)、ハードウェア(Hardware)、環境(Environment)、ライブウェア(Liveware)の頭文字です。
中心のライブウェア(L)は、モデルの中心になる人、例えば被災者です。
外側のライブウェア(L)は、関係者になります。
各項目の相互作用を抜けなく抽出することで要因が見えてきます。
4M分析
4M分析法は、アメリカ国家運輸安全衛生委員会が起源とされています。
災害発生時の基本的な原因は4つのM(Man、Machine、Media、Management)の要因が重なり合うことにより、「不安全行動」「不安全状態」が発生するものと言われています。
各項目に沿った要因を抽出することにより、本質的な安全対策へつなげることができます。
連関図(なぜなぜ分析)
連関図(なぜなぜ分析)は、品質課題の要因を探るための「新QC七つ道具の一つ」です。
事故をもたらした事象や要因に対して”なぜ”を繰り返すことにより、深堀りができます。
深掘りすることにより、背後にある根本的な原因や事故の全体像がつかめます。
バリエーションツリー分析(VTA)
グループ作業において、さまざまな登場人物や機材と時系列を共にに表現した分析手法です。
時系列で並べた際の、各人物や機材などの相互作用が分かることにより問題点が浮き彫りになります。
フォルトツリー分析(FTA)
なぜなぜ分析などの連関図にORとANDという概念が加わっていることが特徴的です。
- ANDとは:一の事象や要因に対して、2つの事象が重なって起きた場合に、一の事象が発生する
- ORとは:一の事象や要因に対して、2つの事象のうちどちらかを満たすと、一の事象が発生する
このANDとORを使うことによりなぜなぜ分析がより詳細に深掘りでき、そこから導き出される対策も効果があがります。
イベントツリー分析(ETA)
作業手順ごとにミスや要因を洗い出す手法です。
作業手順に誤りやミスが生じたことによって、どのような事態が起こるかを整理するものです。
作業手順ごとに課題が抽出できることにより、結末や対策が分かりやすくなることが特徴としてあります。
FRAM(機能共鳴型事故)
FRAMとは、Hollnagelさんが提唱したものです。
事故の原因や要因は、特定できるものではないという考え方です。
下記の4点の機能の連鎖を考えることによって事故全体のつながりを把握し、分析します。
- T:time(時間):機能に影響を与える時間
- C:control(制御):機能の監視、制御条件
- P:precondition(前提条件):機能が実行される前に存在する条件
- R:resource(リソース):機能が実行されるために必要な資源
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、自己分析手法を7つ紹介しました。
- SHEL分析
- 4M分析
- 連関図(なぜなぜ分析)
- バリエーションツリー分析(VTA)
- フォルトツリー分析(FTA)
- イベントツリー分析(ETA)
- FRAM分析
みなさんの職場でも災害発生後の対策検討のなかで、上記のどれかの手法が使われていると思います。
職場や会社で手法が決まっていない場合も、まずは、各分析手法で試すことにより、さまざまな角度から対策が出てきます。
2つ以上の角度から分析をすることにより、本質的な安全対策へ導くことができますので、ぜひ参考にしてみてください。
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