こんにちは、ひこたろです。
今回は、安全衛生マネジメントシステム導入について解説していくよ!
マネジメントシステム?ISOのこと?
ん~、あんまり良いイメージがないんだけど。
え?どうして?
品質(ISO9001)や環境(ISO14001)でもマネジメントシステムを導入しているけど、結局、資料ばかり作って負荷がかかるだけで内容がともなっていない。ってことになっているような気がして。。。
なるほどぉ。今回は、そのように感じているあなたにマネジメントシステムの必要性を解説したいと思います。
「マネジメントシステム=書面を作る」というものではなく、本質的なメリットを考えてみましょう。
安全衛生マネジメントシステムとは?
まずは、安全衛生マネジメントシステムについて説明するよ。
こんなこと知ってるよ!っていう人は飛ばしてね。
労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)は、事業者が労働者の協力の下に「計画(Plan)-実施(Do)-評価(Check)-改善(Act)」(「PDCAサイクル」といわれます)という一連の過程を定めて、継続的な安全衛生管理を自主的に進めることにより、労働災害の防止と労働者の健康増進、さらに進んで快適な職場環境を形成し、事業場の安全衛生水準の向上を図ることを目的とした安全衛生管理の仕組みです。
最近は国際規格としてISO45001が発表されました。
日本でも各企業の認証が進んでいます。
こちらも頭に入れておきましょう。
国際標準化機構(ISO)が2018年に策定した労働安全衛生マネジメントシステム(以下、「OSHMS」という)の国際規格です。ISO45001は「計画(Plan)-実施(Do)-評価(Check)-改善(Act)」といったPDCAサイクルを回して継続的な改善を実施し、働く人の労働に関連する負傷と疾病の予防および安全で健康的な職場の提供を達成するためのOSHMSの仕組みとその運用を要求しています。
マネジメントシステム導入の効果3選
とは言え、うちの会社では、ISO認証は取らないしなぁ・・・と思ったそこのあなた!
PDCAサイクルを会社として確立することは非常に重要な部分があるので、そのメリット3選を説明していきます。
1.属人化・タコつぼ化を防ぐ
労働安全衛生の活動は、業務内容やさまざまなリスクが異なっているために、企業のなかでも事業所により活動や安全文化が大きく異なることがあります。
そのため、安全衛生業務が属人化し、事業所全体がタコつぼ化し、まわりの情報を全く受け止めれない事象が発生します。
他事業所や他社の災害や活動の横展開をしたくても、同じ活動を行っていないために横展開ができない事象も発生しています。
マネジメントシステム導入は、各事業所における安全衛生管理・安全衛生業務の最低限のライン(PDCAサイクル)を定めるものです。
安全衛生管理・業務は、労働安全衛生法やリスクアセスメントなど、法令順守の観点からも属人化しないほうが良いです。
導入当初は、PDCAサイクルを書面化(マニュアル化)することは、負荷になるかもしれないけど、企業存続のために作成してみましょう。
2.評価基準となり、比較ができる
各事業所の災害傾向を見ているんだけど、事業所ごとの活動も異なっていて、どの活動が災害防止につながっているか分析できないんだよね。
よくこのような声を聞きます。
PDCAサイクルを確立することにより、全国の各事業所が同じ基準で活動を行うことになります。
同じ基準で活動を行っている場合、ある事業所で災害が多く発生していたとき、災害が少ない事業所とどこの部分が異なるのかを比較することができます。
各事業所のマネジメントシステム運営状況を本社などが把握することにより、評価基準の設定や横展開活動などもスムーズに進めることができます。
各事業所が同一基準で活動を行うことにより、【比較できること・横展開ができること】が災害未然防止に直結していると思うよ。
3.合理化・人材の流動化につながる
各事業所の安全衛生管理手法を定めることは、属人化を防ぐことにつながり、ムダな作業を減らすことができ、要員合理化へつながります。
具体的には、ISO9001やISO14001などとの連携により、スタッフや現場作業者の活動書類などの負荷を一部ではありますが、減らすことができます。
また、人事面でこのような問題に直面していませんでしょうか?
安全衛生部門のキャリアプランを考えたときに、他事業所への経験も積ませたいんだけど、他の事業所のルールや管理手法が全然異なるから、1から教えなくてはいけない。
この事業所の安全衛生担当部門では、〇〇さんがいなくなると安全衛生を理解している人がいなくなるから、異動できなくて、部下の昇格ができないんだよなぁ。
安全衛生部門は、専門的な分野も含んでおり、全体の要員で見たときに小さな組織規模であるため、人材の流動化が難しいことが考えられます。
安全衛生マネジメントシステムを導入し、各事業所における安全衛生管理・安全衛生業務の最低限のラインを定めることで、人材の流動化にも寄与することになります。
私自身は製造業において安全は最優先だと考えているため、製造部門の管理者は、安全衛生についてしっかりと理解しておかなくてはいけません。そんなときに、安全衛生マネジメントシステムがあれば、事業所安全管理を分かりやすく広めることができると思います。
※安全衛生マネジメントシステム導入のときの注意点
安全衛生マネジメントシステム導入のメリットを説明してきたよ。
しかし、安全衛生マネジメントシステムを導入するときに注意すべき部分も説明するね。
安全衛生マネジメントシステム導入の際は、安全管理手法の統一という観点から、「全員が全て同じ活動をすべきだ」というように認識する方がいるかもしれません。
そのことによって、事業所や現場独自のリスク低減活動がなくなってしまう例があります。
また、全社で安全管理手法を統一することにより、安全管理手法の改善提案がしにくくなるケースがあり、自主や自律が阻害されることもあります。
よって、各社の本社安全管理部門や事業所安全管理部門が、全体と個別をバランスよく調整することが必要です。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は、安全衛生マネジメントシステム導入のメリットを解説しました。下にまとめを記入するね。
1.属人化、タコつぼ化を防ぐ
2.評価基準となり、比較ができる
3.合理化・人材の流動化にるながる
【安全衛生マネジメントシステム導入における注意点】
※現場独自の活動を尊重する
※自主性・自律性を損なわないようにする
2018年にISO45001が導入され、経営層と議論をして、反対されている安全衛生担当部署もあるのではないでしょうか?
そんなときに、私の一意見ではありますが、参考にしていただければ幸いです。
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