- 作業手順書を見直してるんだけど、安全ポイントをきちんと記載するように言われるけど、何をどこまで書くの?
- 安全ポイントをたくさん書けって言われるけど、字数が多いと現場は読んでくれないしなぁ。
- 作業中は無意識に考えている部分をいざ言葉にするのは難しいよなぁ。
- 作業手順書の安全ポイントが出てきません。
このような悩み、質問をうけることがあります。
今回は、私なりに作業手順書の安全ポイントの記載方法の考え方を解説したいと思います。
結論:リスクが高い箇所に注力して記載する
結論としては、その作業のなかでリスクが高い項目に対して、安全ポイントを細かく記載しましょう。
作業手順すべてに対して安全ポイントを記載する必要はありません。字数が多くて現場は読めず、覚えることもできません。
作業のなかで、確実に守るべき重要な箇所について安全ポイントを細かく記載しましょう。
細かさの例ですが、右手左手のような細かさではありません。
玉掛退避であれば、どのタイミングでどこに退避をするのか。退避を確認したうえで吊り上げる。というような5W1Hを具体的に設定する(決めてしまう)ことが、安全ポイントを細かく記載するコツです。
安全ポイントがスムーズに記載できる2つの考え方
とは言っても、安全ポイントがスムーズに出てこないんです。そんな声が聞こえてきそうです💦
私自身が、現場へ促している考え方を2つ示します。
1.品質の場合を考え、安全も同様に考える
日々の作業のなかで、常に安全を意識することは難しいです。
ですが、災害を防止するために、重要な安全ポイントは意識してもらう必要があります。
そのようなときにこのような質問をしてみてください。
毎日、作業を行うなかで、品質のチェックポイントはどんなときに、どんなポイントを見ている?安全も一緒の考えだよ。
品質であれば、現場からは、スラスラと回答が出てくるのではないでしょうか?
なぜかというと、品質は製品や工程1つ1つで毎回確認をし、チェックする回数が多いからです。
しかし、安全は毎日の作業に慣れてしまって毎回チェックすることがないですよね?
安全最優先になってないじゃないか!って怒るつもりはありません。現実ですよね。
つまり、品質同様に安全についてもこれだけは守らないといけない!という箇所が作業のなかであるはずです。
その部分を抽出して、ここだけは!というところを細かく記載すべきです。
安全ポイントに加えて、「なぜそこが重要なのか」「過去の災害事例」などを追記することをオススメします。
2.災害が起きる可能性を考えるのではなく、普段災害が起きない理由を考える
安全ポイントを考える際に、災害が発生するリスクを考えるのですが、実際にその作業で災害が起こってなければ考えることができないよ!
という意見があります。
たしかに、1000回に1回起こる災害を予測することは難しいですよね。
では、普段作業をしているなかで、なぜ災害が起きないのかを考えてみましょう。
- 設備上できちんと安全が担保されている箇所があったり、
- 自らが無意識でも気を付けている箇所であったり、
- あのとき、ヒヤッとしたけど、こんなファインプレーで回避することができたよ!であったり、
各作業では、ベテランのかたが設備や作業方法で安全な手法を無意識に実施していることがあります。
抽出された安全ポイントのなかから、よりリスクの高い項目を選択して、具体的に記載するようにしましょう。
過去の災害や対策を参考にするのではなく、今の現状に目を向けることは、Safety-Ⅱという考え方です。ぜひ参考に。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、作業手順書への安全ポイントの記載について解説しました。
定常的な作業については、作業手順書は非常に重要な役割を果たします。作業手順や安全ポイントの確認だけではなく、新人への教育などにも活用すべき非常に良いツールです。
作業手順書の見直しなどが、現場の負担になっているケースもありますが、今回紹介した2つの考え方を参考に、より短時間で安全ポイントが記載できることを願っています。
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