- KYって毎日やっているけど、意味がないと思います。
- 納期がせまっているなかで、KYの時間が十分にありません。
- KYに時間をかけることは良いけど、仕事に影響があるから細かくできません。
危険予知(KY)について、しっかりと危険を抽出して対策を立てて、チームで共有することは良いことは間違いありません。
しかし、毎日同じ作業などの場合、KYがマンネリ化したり、納期がせまっていてKYをする時間がない。
などの意見を聞いたことがあります。
私のなかでの結論としては、毎日のKYをやめるという選択肢はないですが、KY手法は作業によって形を変えるべきだと考えています。
今回は、作業タイプ別のKY手法とKY以外に大事なことを解説していきます。
危険予知(KY)の手順(復習)
危険予知(KY)の手順は以下のようになります。
- 危険要因を抽出し、
- 危険要因からもたらされる事象(災害)を考え、
- 重点ポイントを絞り、対策を検討する
特に危険要因の抽出と事象を具体的に考えることにより、対策のポイントも絞りやすくなります。
作業タイプ別の危険予知(KY)
3つのタイプにおける危険予知手法を紹介します。
1.作業系、操業系(毎日同じ作業、作業手順書あり)
生産ラインにおける作業において、毎日が同じような作業の場合は、簡易的なKYで十分です。
作業手順書もあるので、手順書内にある安全ポイントを確認したうえで作業を行うことで安全が担保されます。
具体例を下記します。
このような作業の場合は、いつもと少し異なる点などを危険予知(KY)することに時間を割くべきです。
また、危険予知(KY)の内容を充実させるよりも、作業手順書の充実を図ることが安全へ近づけます。
2.工事系作業:毎日異なる作業、作業手順書なし
工事や機械故障などを修理する保全作業など、いつ起こるか分からない、また場所や機械の故障具合によって手順が異なる。
作業手順書がない場合などは、上記1.の簡易的な危険予知(KY)は非常にリスクが高いです。
このような場合は、故障などで急ぐような状況がありますが、
そんなときこそ時間をかけて危険予知(KY)を実施してください。
下記に具体例を示します。
作業手順を明確にし、それぞれに対して危険を抽出し、対策を立てましょう。
そして、チーム作業の場合は、全員にリスクや対策を周知しておく必要があります。
3.3H(初めて、久しぶり、変更)作業
3H作業をご存じでしょうか?
3Hとは、初めて・久しぶり・変更の頭文字をとったものです。
このような作業についても、危険予知(KY)を十分に行う必要があります。
様式としては、上記2.の工事作業用を使用することをオススメします。
しかし、久しぶりや変更作業の場合などは、作業手順書がある場合もあります。
また、作業は同じだけど状況が初めて、久しぶり、少しの変更作業などの場合、
そもそも危険予知(KY)をやり直さないケースがあります。
小さなことでも3Hが発生をした場合は、まずは、簡易的な様式でもよいので危険予知(KY)を実施することを心がけてください。
危険予知(KY)よりも重要な作業指示と振り返り
危険予知(KY)は、作業のなかでのヒューマンエラーを防ぐために有効です。
しかし、私は危険予知(KY)よりも重要なものが2つあると考えています。
それが、作業指示と作業の振り返りです。
1つずつ説明していきます。
まずは、作業指示です。
作業を行うまえに、危険予知(KY)を実施すると説明しましたが、
危険予知(KY)を行うまえに、上司から作業指示が行われます。
もし、作業指示を受けていない!というかたは、上司(職長など)へ抗議してください。(笑)
本当は、笑い事ではないのですが。
危険予知(KY)を実施するにおいて、現場の状況や作業のなかでの危険ポイントはあらかじめ作業指示書に反映されるべきものです。
作業指示が具体的でない場合は、どれだけ危険予知(KY)に時間をかけていても、リスク抽出を間違える可能性があります。
よい危険予知(KY)を行うためには、具体的な作業指示書を作成しましょう。
2つ目が、作業の振り返りです。
危険予知(KY)を行い、無事に安全に作業が終わった場合、振り返りはしていますか?
実は、作業の振り返りは非常に重要です。
危険予知(KY)に時間をかけるくらいなら、作業の振り返りに時間をかけてください。
そのなかで、ヒヤリ事象や作業の安全性で反省があった場合は、作業指示書や作業手順書に反映させることで、次回の作業に活かせます。
作業のPDCAサイクルを意識したうえで、特にC(チェック)とA(アクション、改善)を抜けなく防止することで、より安全な職場形成につながります。
まとめ
今回は、作業タイプ別の危険予知(KY)と、それ以外に重要な作業指示と作業の振り返りについて解説しました。
災害が起こった際に、KY不足などやヒューマンエラーなどの個人の要因ばかりに目がいくことがあります。
危険予知(KY)をしっかりと行うためには、危険予知訓練(KYT)を行うことで効果が出る部分もありますが、
作業指示と日ごろの作業の振り返りも重要な要素となります。
ぜひ、職場で不足点があれば改善を検討してみてください。
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