普段パトロールをしているんだけど、現場が全然言うことを聞いてくれず、不安全行動が全然なくならないんだよね。
不安全行動は、設備的改善では解決できないし、従業員全員が安全意識を高めないと防ぐことはできないよね。
今回は、安全パトロールを通じて、現場最前線で働く人が不安全行動を起こさない指導方法を解説するよ。
不安全行動とは?(復習)
まずは、不安全行動には種類があるんだよ。いつもの復習だけど覚えてる?
何回目ですか!?さすがに覚えましたよ。
ヒューマンエラーの中における「違反」「リスクテイキング」が不安全行動ですよね。
さすが!バッチリだね。分からなければ、過去のブログや下記を参考にしてみてね。
安全パトロールでは、「違反」や「リスクテイキング」を防ぐ観点から、指導や対話が必要になってくることを意識してね。
安全パトロールの実態
安全担当者として、不安全行動を防ぐためにどのような安全パトロールを実施しているかな?
普段は現場をパトロールして、作業者がケガをしそうな状態を見つけて指導・修正しています。例えば、足元の整理整頓だったり、開口部の養生であったり。
うん。すごく良いことだね。ただし、それは不安全状態を是正していることになっていて、不安全行動は是正できていないよね?
た、たしかに。パトロールをしていて不安全行動に遭遇することってない気がする。
安全衛生パトロールを行う際に、不安全状態を指摘することが多くなります。
不安全状態は、目の前で確認しやすいからです。そのため、重箱の隅をつつくような指摘を行ってしまうことにより、現場と安全パトロール者の関係がギクシャクしてしまうこともあるでしょう。
安全パトロールを行う場合は、現場作業者と対話を行うことにより、不安全状態を修正するだけでなく、不安全行動を防ぐような指導(対話)を心がけましょう。
パトロールでの効果的な指導方法3ステップ
今回は、私自身が不安全行動を防ぐために、安全パトロールで実践している指導(対話)3ステップを紹介します。
2.安全上の重点ポイントを確認・修正する
3.現場作業者の判断と行動を明確に意識させる
1.現場作業者の目線を理解する
パトロールの悪い例は、現場で不安全状態を見つけて、作業者を呼んで注意して終わり!これは一番ダメです。
不安全行動を防ぐためには、現場作業者がどのような目線や考えで作業を行っているかを確認する必要があります。
リーダーを中心にその日の作業をどうやって終わらせようとしているのか。などを対話で確認を行います。
安全担当者は、安全衛生だけを見ているけど、現場作業者は、安全衛生以外にも品質や納期など様々な点を考えながら仕事を行っていることを理解しよう。
当たり前のことではあるけど、それを理解せずに対話を行っている例がよくあるよ。
2.安全上の重点ポイントを確認・修正する
作業の内容や現場の状況が分かったあとは、対話のなかで現場作業者(リーダー)が意識している安全上の重点ポイントを確認します。
安全担当者は、「それ以外に重点ポイントに加えるポイントはないか」「どうしてそれが重点ポイントと感じているのか」を、深掘りしていきます。
安全担当者は、現場作業者よりも安全の部分では知識が豊富である必要があります。過去の災害事例などを例に、作業のなかで重点としておさえるべき項目を確認しましょう。
3.現場作業者の判断と行動を明確に意識させる
最後のこの項目が不安全行動を防ぐために最も重要なことだよ。
現場作業者は、安全のプロではありません。品質や納期なども考える必要があり、常に安全だけを考えて作業をしていません。
安全担当者は、「現場作業者が常に安全に注意をしながら作業をしてくれる」という性善説では、災害はなくなりません。
安全パトロールの対話のなかで、安全担当者は、現場作業者の言う安全ポイントが正しいのか・どのタイミングで声掛けや作業グループのなかで徹底をするべきなのかを明確に指示することで、不安全行動がなくなります。
例えば、
今日の作業のなかでは、リーダーが言ってくれた通り、重量物の運搬と玉掛作業が最も危ないね。だから、重量物の運搬時は、退避を確実に行ったことを確認してから吊り上げてね。
昼からの作業の開始時にも、一旦作業者全員で周知しておいてね。
こんな感じです。
ポイントが多ければ、覚えることもできないため、数点に絞ると良いでしょう。
現場作業者の考える自らの重点ポイントが正しい場合は、肯定しつつ、対話のなかで意識することにより、作業者がその場面になると意識できるようになります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、不安全行動の防ぎかたについて、安全パトロールでの指導3ステップについて解説しました。
2.安全上の重点ポイントを確認・修正する
3.現場作業者の判断と行動を明確に意識させる
現場最前線の作業者や安全担当者は、設備の改善などを待っている余裕はないので、日々のパトロールで不安全行動を防いでいくしかありません。
ぜひ、安全パトロールの際の指導(対話)として意識してみてください。
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