労働災害が発生してしまいました!
過去経験したことがないので、何をすればよいか分かりません。
まずは、落ち着きましょう。
安全担当者として、労働災害にあう可能性は少ないかもしれません。
ただ、起こってしまったときは適切に対応する必要があります。
今回は、労働災害が発生した後の対応5つを解説します。
労働災害発生後に対応すべき5項目
安全担当者として、労働災害発生後の対応は下記の5つを頭に入れておきましょう。
2.救急車要請もしくは病院へ送迎
3.関係先への連絡
4.現場保存 (労基署、警察署対応)
5.被災者ご家族対応
1.被災者救出&作業中断
災害発生の連絡を受けた場合、被災者の人命が最優先です。
被災者が稼働物に挟まっている、危険な場所へいる、などいろいろな状況がありますが、
まずは、被災者の救出と安全な場所への移動を指示しましょう。
被災者の救出が終わると、当該作業を中止しましょう。
人命優先は分かったよ!でも作業の中断って言うけど、大したケガではなかった場合は、納期や作業の進行があるから中断しなくても良いんじゃない?
ばっかもーん!!
災害のひどさは関係ないよ。
今、その作業で災害が起きたんだよ。つまり作業を継続すると、数分後に同じ状況でケガをする人が出る可能性があるよね。
作業の中断は、客先に迷惑がかかることや納期が遅れることなど、さまざまな状況が考えられます。
ただし、最初にも言った通り、人命が最優先です。
同様の災害が起きる可能性があるので、当該作業は即座に中断しましょう。
2.救急車の要請もしくは病院への送迎
被災者の救出および安全な場所への移動などとほぼ同じタイミングで、救急車を要請します。
また、軽傷の場合は、社用車などで病院へ送迎を行うようにしましょう。
救急車ってなかなか乗らないからかなりドキドキしそう・・・。
救急車に乗るときって必ず「どなたか同乗してください」って言われるよね?誰が同乗すべきなの?
救急車もなかなか乗ることないから、緊張するよね。
まぁ、回数多く乗ることは良くないことだけど、慣れだね(笑)
あ、同乗する人を答え忘れていたね。
同乗する人は、当該作業が分かっている人に同乗させましょう。
救急車を要請した場合や、社用車で病院へ送迎する場合についても、当該作業が分かっている人を同乗させるようにしましょう。
理由は、医師が被災状況を確認するからです。
どのような形で被災をしたのか?作業現場はどのような環境であったのか?
外傷だけではなく、内部の損傷なども考慮した場合、詳しい被災状況が分からなければ処置の方針が決まらないからです。
なるほど、じゃあその職場の班長を同乗させるようにするよ!
それでオッケーです。
3.関係先への連絡
災害発生後、救急車を要請したあとは、関係先への連絡を即座に行いましょう。
関係先については、下記のような具体例があります。
②親会社、発注会社
③自社の本社や事業場代表者
④労働基準監督署
4.現場保存(労基署、警察署対応)
災害が発生した場合は、災害現場をそのまま保存する必要があります。
理由は、災害現場確認を行うからです。
災害の一報を聞いた管理者のかたや、その工事の元方会社、または、労働基準監督署、警察なども現場を見に来ることになります。
現場保存理由は分かったよ。災害発生状況を把握しなくてはいけないからね。
ただし、災害の一報を聞いて、当該作業の管理者や工事関係者が現場を見に来ることは分かるんだけど、労働基準監督署や警察は、必ず現場を見に来るの?
警察については救急車を要請した時点で、事件の可能性があれば連絡を受けて、調査にいくことになります。
労働基準監督署については、災害状況を連絡しなければ現場に来ることはありません。
大きな災害の場合は、安全担当者から労働基準監督署へ遅滞なく報告を行うべきであり、その報告をうけて現場調査に来ることになります。
警察と労働基準監督署では、扱っている法令が異なります。
警察は、刑法を主として調査にきます。被災者が他の方の故意により被災した場合などは、業務上過失死傷などが想定されます。
労働基準監督署は、労働安全衛生法を主として調査にきます。法令違反などが確認された場合は、処分をうけることになります。
特に、第一報において「高所からの墜落」や「機械に挟まれ・巻き込まれ」、「感電」などのキーワードがある場合については、必ず確認に来ると思っていただいて良いでしょう。
再度言いますが、現場保存を行うべき理由は、被災の程度は異なったとしても、被災状況を確認することです。
災害発生後は、現場に関係者以外を立ち入らせないような処置をしましょう。
5.被災者ご家族対応
最後がこちらです。
家族対応については、非常に慎重に行う必要があります。
重篤な災害の場合は、確かに家族に説明をしないと訴訟などに発展する事例もあるからね。
労働災害は、企業の責任が問われる事象になります。
そして、会社にとっては、全社員のなかでの一人の従業員かもしれないけれども、家族にとっては、たった一人の、唯一の家族であることをなにより意識する必要があります。
でも、重篤な災害の場合は、説明すべきだとは分かるけれど、どの程度の災害が発生した場合に家族へ報告すべきか判断できないんだけど・・・
全ての災害で、都度家族へ連絡をすべき?という気持ちは分からなくもないけれど、
安全担当者の立場では、結論として「災害の程度を問わずご家族にきちんと説明をする」気持ちを持っておきましょう。
上記でも述べたように、会社としては、安全配慮義務があるため、被災者がルールを守らないことによって被災したケースだったとしても、家族は知ったこっちゃありません。
家族への連絡などは、丁寧に対応しすぎて悪いことはありません。
まずは、下記の条件に当てはまる場合は、即座にご家族へ連絡を行うようにしましょう。
②入院の可能性があるケース
③就業時間以降(残業時間)などに治療が行われるケース
まとめ
2.救急車要請もしくは病院へ送迎
3.関係先への連絡
4.現場保存 (労基署、警察署対応)
5.被災者ご家族対応
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